僕の制作は拾い物をするところから始まります。海岸や山の中、都会の道端や、交差点、駐車場など。思わず手が伸びる場所は世界のそこかしこに在って、いつも静かに僕たちのことを待っています。そんな名もなき者たちが、早朝のアトリエの窓辺で陽を浴びて影を作っている。そんな姿を見ると、それ以上に手を加える必要などないと思えてきます。そのものの姿形だけではなく、何者でもないというところに共鳴や憧れを抱いているのかもしれません。それらはもの言わぬまま、作り手である以前の自分に何かを語りかけてきます。今回の展示では、作品にならなかったそんな者たちと、方々で集めた古物を織り交ぜて約250点ほどの品々を展示致します。
(河合 悠)
幾度かGULIGULIでも展示を重ねてくださった河合悠さん。
そのほとんどが蝋燭や作品の展示会でしたが、
2018年に「河合悠の棚」という不思議な展示をしました。
棚に並ぶ悠さんのアトリエの空気をまとった小さな漂流物や錆びた缶、何度も読んだ本、火をつけた後のマッチなど。不思議と手に取りたくなる、連れてかえりたくなる物たち。
今回はその2回目ですが、2回目と言うと少し違うかもしれません。
どんな風景となるか? どうぞお楽しみに。
GULIGULI 中川
「アトリエの風景」
2021, 12/11土〜26日 11:00〜18:00 火・水close
在廊: 12/11. 12
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